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苦手な上司がいる人のためのカウンセリング

拙著「なぜ部下は思い通りに動かないのか」の中にも書かせていただいていますが、カウンセリングでご相談をいただく内容で多いのが、上司との人間関係に悩んでいるケースです。

苦手な上司がいて、「言いたいことが言えない」「接するのに苦労している」「ストレスになって体調にも異変が出てきている」といったご相談を受けます。上司との関係は、職場のストレスにおいてかなり多くの部分を占めており、この関係が悪いと会社生活は苦痛に満ちたものになってしまいます。

リクナビNEXTが行ったアンケート調査によると、退職理由のホンネとして「上司との人間関係」が1位に挙げられています。ちなみに2位が「労働時間・環境の不満」で、3位が「同僚・先輩・後輩との人間関係」と続いています。忙しさや給与よりも人間関係の問題を多く挙げられていて、特に上司との人間関係がトップになっています。
ちなみに、このアンケートでは、退職理由のタテマエも調査をしています。そちらは、1位は「キャリアアップ」、2位は「仕事内容が面白くない」、3位は「労働時間・環境の不満」が挙げられています。忙しさや給与面などの不満は言えても、人間関係に関する不満は言いにくいということなのでしょう。言わないだけで、上司との人間関係に悩んで退職・転職をしていく人が多くあるということです。

私の社会人生活の中でも、上司との人間関係がうまくいかないことから、胃腸炎などの体調不良を訴え、さらに仕事に支障が出るという悪循環に陥って退職を余儀なくされたという事例をいくつも見てきました。

苦手な上司がいても、なかなか社内で相談することが難しいものです。大企業であれば相談窓口が設けられている場合もありますが、社内では相談しずらいでしょう。また、特に中小企業となると相談窓口自体が設けられていない場合がまだまだ多いです。

苦手な上司がいる人のためのカウンセリングでは、どのような部分が苦手に感じるのかなど、上司との関係を振り返って、心を安定させるにはどうしたらいいかに取り組んでいきます。上司の言動に対する受けとめ方を変えること、具体的な接し方や対応の仕方も考えていきます。

<カウンセリング例>

・カウンセリングを受けるまでの経緯
上司から度重なる精神的なプレッシャーを受けて、仕事上や私生活でも精神的な不安定さが現れるようになってきました。家族も心配しており、自分だけで解決することは難しいと思われたことからカウンセリングを申し込まれました。

・初回カウンセリング
クライアントの方は自信を失って自己評価が大変低くなっている状態であり、自責の念も強く感じていました。表情は硬くて、切羽詰った様子が窺えました。体調にも異変を来しているというお話もありました。

・その後のカウンセリング
初回カウンセリングの内容から、上司との関係によるストレスやそれに関連する仕事上のトラブル、多忙などに対してアプローチを行っていきました。
上司との関係では、否定や批判をされることばかりで、 建設的な話にならないと感じていることが大きな苦痛となっていました。長時間責められ続けることもあり、とてもストレスに感じてしました。そのような状況の中で、上司の言動の受けとめ方を変えることに取り組んでいきました。また、上司に対して、できる限り自分の意見や気持ちを伝えるにはどうしたらいいかを考えていきました。
実際にできたこと・できなかったことを次回のカウンセリングで振り返り、その後の対処に活かしていきました。

カウンセリングを受けることにより、相談に来られた当初より自信を取り戻して、気持ちが安定し表情も落ち着いてきました。上司に自分の気持ちや意見をぶつけることもできたということです。

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